お客様や取引先などのクレーム対応、大変ですよね。
こちらのミスが原因なら仕方ないのですが、相手の勘違い等による理不尽なクレームを入れられることも珍しくありません。
理不尽なクレームには、つい感情的になったり相手を否定してしまって、余計に相手を怒らせてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。
私も過去にお客様対応をしていた経験があるので、嫌になる気持ちはとてもよくわかります。
ですが、感情的になったり相手を否定してしまいそうな状態では、話がこじれてしまって解決が遠のいてしまいます。
本記事では、私が10年以上お客様対応をしていた経験をもとに、理不尽なクレームに対する心構えや鉄則、対応のコツをお伝えします。
最後まで読んでいただくことで、理不尽なクレームにも、冷静かつ真摯に対応するためのヒントを得られるでしょう。
クレーマーの心理

理不尽なクレームを言ってくる人には、いくつか共通する厄介な心理が存在します。
これらを理解することで、クレームを言ってきた人の気持ちや状態を想像し、対応する自分の言動をコントロールしましょう。
自分が正しいと思っている
クレームを言うのですから、真実はどうであれ、自分が正しく、相手(こちら)が間違っていると思っています。
間違っている方が謝るのは当然だ、と無意識に思っています。
自分の方が優位な立場にいると思っている
クレームを言ってくる人の中には、強気な人が多いです。
強気でいられるのは、自分が正しいと思っているかつ、自分の方が優位な立場にいると思っているからです。
対お店なら、お客様の立場で、お客の方が偉いと思っています。
相手より自分の方が偉いと思うのは、プライドが高いからです。

自分へのプライドは持って良いものだと思いますが、過剰にならないようにしたいものです。
クレームは相手のためだと思っている
意見することで、相手(こちら)の成長になると思っている人がいます。
もちろん本当にためになるご意見をいただくこともありますが、ただの感情の押し付けになっている場合もあります。
クレームを言っている本人は悪気なく、正義感から相手(こちら)に良いことを言っていると思っています。
クレーム対応時の心構え
クレーム対応の際に、持っておくと良い心構えがあります。
それは、「心をフラットにすること」です。
心をフラット(平ら)にする

別の言い方だと、「気持ちをニュートラルにする」や、「感情の波を抑える」等がイメージしやすいと思います。
要は、一旦気持ちを落ち着けましょう、ということです。
しかし、嫌な気持ちを無理やり押さえつけても、気持ちを落ち着かせるのは難しいと思います。
そこでまずは、自分の嫌な気持ちと向き合う必要があります。
自分の嫌な気持ちと向き合う
理不尽なことを言われて嫌な気持ちになることは当然のことで、何も悪いことではありません。
- まずは、嫌な気持ちになった自分を認め、嫌な気持ちを感じ取りましょう。
時には、心の中でなら、暴言を吐いても良いです。
- とにかく、自分は今こんなに嫌な気持ちなんだ、と残さず感じ切るのです。
そうすると、気持ちがスッキリ、落ち着いていきます。
自分に嫌な気持ちが残っていると、気を付けていても、その後の対応に嫌な気持ちがにじみ出てしまいます。
結果、相手はこちらの嫌な気持ちを敏感に察知するので、話が進まなかったり、こじれたりしてしまうのです。

対面や電話なら、”確認いたします”と言って、ひとまず会話をストップさせている間に、心をフラットにしましょう!
クレーム対応の鉄則
クレーム対応のコツをお伝えする前に、押さえておきたい鉄則があります。
真っ先に謝る

真っ先に謝る。
名乗りも説明も後回しで良いです。
こちらが悪くない場合でも、まずは謝る。
心を込めて謝る。
これが鉄則です。
謝ることの重要性
クレームを言ってくる人は、ほぼ間違いなく怒っています。
さらに、自分が正しくて相手(こちら)が間違っている、間違っている方が謝るのは当然だ、と無意識に思っています。
こちらが”まずは謝る”というステップをすっ飛ばすことは、「謝るのは当然だ」という気持ちを無視することと同じです。
すると、クレームを言った側は「なぜ謝りもしない?」という気持ちが先立ち、こちらの話には一切耳を貸してくれなくなります。
心を込めて謝る
理不尽なクレームに対して、こちらが1ミリも悪くなくても真っ先に謝るなんて、気が乗らないと思います。
また、こちらにも悪いところはあるけれど、そんな言い方しなくても良いのに、と謝る気持ちが削がれてしまうこともあると思います。
しかし、クレーム対応を最短で終わらせるためのファーストステップだと割り切って、“申し訳ない”という気持ちを込めて謝りましょう。
心を込めて謝ることで、後の話をスムーズに進められます。

気持ちは、良くも悪くも相手に伝わります。
クレーム対応のコツ5選
ここからは、クレーム対応をスムーズに進めるためのコツをお伝えしていきます。
クレームの内容にもよりますが、参考にしていただけるものを取り入れてもらえたら幸いです。

こちらのミスや間違いは素直に認めて謝る
こちらにミスや間違い等があれば謝るのは当然のことです。
ただ、理不尽なクレームと対峙すると普段の冷静さが欠かれて、こちらのミスに対する謝罪が漏れてしまうこともあります。
こちらのミスに対する謝罪が漏れてしまうと、相手の怒りを助長させてしまったり、揚げ足を取られて話が進まなくなったりするので、十分注意しましょう。
気持ちに寄り添う
相手の気持ちに寄り添うということは、相手に共感するということです。
相手はこちらの不備によって迷惑を被ったと思っています。
本当にこちらに不備があった場合はもちろん、相手の勘違いだったとしても、相手自身は「迷惑を被って大変だ」という気持ちでいるわけです。
多くの人は、自分の気持ちをわかってほしい、と無意識に思っています。
まず謝ったあとは、説明等の前に、相手の気持ちに寄り添って(共感して)あげると良いです。
例…
この度はご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。(※すぐ謝る)
○○でご不快な思いをおかけいたしましたことを重ねてお詫び申し上げます。(※共感)

共感する=「敵意がない、安心」に繋がり、話をスムーズに進めやすくなります。
相手を否定しない
相手は自分が正しいと思い込んでいるので、否定されると余計怒ったり、こちらの話を聞いてくれなくなります。
もし、相手が勘違いをしていても、相手の勘違いを訂正するのではなく、真実のみを伝えるようにしましょう。
例)大根の価格は300円と書いているのに、200円と書いていたと言われた場合。
こちらの主張やお願いは後回し
話の早い段階でこちらの主張やお願いを伝えても、怒っている相手は聞いてくれません。
こちらの主張やお願いがある場合は、クレームに対する謝罪や説明を一通り終えたあとに伝えるのが無難です。
もちろん、伝えるときは丁寧を心がけましょう。
事実と異なること、できないことには同意しない
相手の圧が強すぎたりすると、こちらの話がうまくできない場合もあります。
ですが、事実と異なることに同意をしたり、できないことをやりますと言ったりすることは避けましょう。
後になって、できないと言えば話がこじれてしまいます。
事実と異なること、できないことには同意せず、強い心をもって対応しましょう。
クレームは相手のためだと思っている人には…
クレームは相手のためだと思っている人は、驚くほど悪意がなく、むしろ善意や正義感から無理難題を押し付けてくるタイプが多いです。
おそらく本人はクレームのつもりすらありません。
感謝をする
クレームは相手のためだと思っている人には、まず感謝の言葉を伝えましょう。
この手のタイプの人は、良いことをしているという気持ちを持っています。
「こちらのことを思って言ってくれて、ありがとう。」と伝えると、”自分のことを受け入れてもらえた”と気持ちが満たされるので、こちらの話を聞いてもらいやすくなります。
まとめ:自分の気持ちをコントロールして、クレーム対応を最短で終わらせよう!
理不尽なクレームを言ってくる人は、なかなかこちらの話を聞いてくれないことが多いかもしれません。
そんなときこそ、心を込めて謝ることが、話をスムーズに進めるための鍵です。
ただ、理不尽なことを言われて嫌な気持ちになっているのに、心を込めて謝るのは難しいでしょう。
そこで、まず”心をフラット(平ら)にする”ことを意識してみてください。
- まずは、嫌な気持ちになった自分を認め、嫌な気持ちを感じ取りましょう。
- とにかく、自分は今こんなに嫌な気持ちなんだ、と残さず感じ切ります。
自分の気持ちを整理し、落ち着かせてから、心を込めて謝ることが最短のルートです。
クレーム対応のコツも状況に応じて取り入れてみてください。
クレーム対応のコツ5選
☑ こちらのミスや間違いは素直に認めて謝る
☑ 気持ちに寄り添う
☑ 相手を否定しない
☑ こちらの主張やお願いは後回し
☑ 事実と異なること、できないことには同意しない
すぐには思い通りの対応ができないかもしれませんが、経験を積んでいくと徐々にスムーズに対応できるようになっていきます。
うまく自分の気持ちをコントロールして、理不尽なクレームにも冷静かつ真摯に対応していきましょう!

応援しています!